競技規則
1. コ-ト

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コートの寸法
コートの大きさは縦13.4m横6.1mで、床面から8mの高さまで障害物の無いこと。コ-トを囲むラインの幅は0.04mを越えてはならない。またコートの寸法よりも内側に引くこと。全てのラインは障害物から少なくとも3mは離れていること。
-
センタ-ライン
センタ-ラインは幅0.02mで、コ-トの左右を2等分するように引くこと。
-
クォーターサークル
センタ-ラインの両端に、サイドラインから半径0.9mのクォーターサークルを引くこと。
-
サービスサークル
ベースラインから2.45m、サイ ドラインから3.05mの点を中心に半径0.3mのサービスサークルを左右のコートに描く。ラインの幅は0.04mであること。
-
フリーゾーン
コートのまわり、サイドラインおよびベースラインから最低3.0m以内には障害物のない状態にしておくこと。
2. ポスト
- ポストは床面からそれぞれ男子用1.55m、女子用1.45mの高さであること、またネットの張りをしっかりと保てるように立っていること。十分に丈夫な素材で作られたもので、半径0.04mを超えないこと。
- ポストの位置はセンタ-ラインの延長線上、サイドラインから外側0.3m離れたところに、まっすぐしっかり立てること。
3. ネット
- ネットの編み目は0.06mから0.08mでナイロン製であること。
- ネットは幅が0.7mで長さは6.1m以上とする。ネットはセンタ-ラインの真上に垂直に設置すること
- ネットの両側にはサイドラインの直上に境界線として0.05mテープを縦に巻く。これらはネットの一部とみなされる。
- ネットの最上部と最下部には幅0.05mの二重のテープで縁取り、テープ内に通した丈夫なケーブルによってポストのトップから張られ、支えるようにすること。
- ネットの中央の高さはそれぞれ男子用1.52m、女子用1.42m、ポスト付近ではそれぞれ男子用1.55m、女子用1.45mであること。
4. セパタクローボール
- セパタクローボールは合成繊維で一層に編まれた球形のものである。
-
合成ゴムで覆われていないセパタクローボールは次の基準をそなえていなければならない。
(1) 12の穴を持つ。
(2) 20の交点を持つ。
(3) 男性用ボールは0.41mから0.43m、女性用ボールは0.42mから0.44mの円周を持つ。
(4) 男性用ボールは重量が170グラムから180グラム、女性用ボールは150グラムから160グラムの範囲内であること。
- セパタクローボールの色は単色、2種類以上の色、明るい配色が可能で、選手のプレーの障害にならない配色であること。
- セパタクローボールの表面は、選手の身体と接触した折の衝撃を緩和するため、合成ゴムか柔軟で耐久性のある材質でカバーされたものであってもよい。材質と製造方法は試合で用いられる前にISTAFによって承認されたものであること。
- オリンピック競技大会、ワールドゲームズ、コモンウェルスゲームズ、アジア競技大会、東南アジア競技大会を含む、国際セパタクロー連盟が承認するすべての国際及び地域の試合では、国際セパタクロー連盟公認のボールを使用すること。
5. 選手
- 試合は2組の「レグ」と呼ばれる組で行う。各レグの選手は3名で構成される。
- 3人の選手のうち1人は後衛に位置し、「テコン(サーバー)」と呼ばれる。
- 他の2人の選手は前衛に位置し、1人は左に、もう1人は右に位置する。左に位置する選手を「レフトインサイド」、右に位置する選手を「ライトインサイド」と呼ぶ。双方を「インサイド」の選手と呼ぶ。
-
チーム戦
(1) 「チーム」と呼ばれる各チームは3つのレグから成り、最低9名、最大12名で構成される。
(2) 各選手はいずれの試合にも参加するために登録されること。(同一大会ではいずれの試合も同一選手が登録されていること)
(3) 最大3名の選手を「控え」として登録することができる。控えの選手は選手交代によって出場できる。
(4) 1人の選手はチーム戦をとおして1つのレグでのみ出場できる。
(5) 試合の開始までに各チームは最低9名の登録済み選手を競技を行うコート上にそろえておかなければならない。
(6) 9名に満たないいかなるチームも試合を行うことはできず、失格となる。
-
レグ戦
(1) 各レグは最低3名、最大5名(3名の先発選手と2名の控え選手)で構成される。全員が事前に登録されていなければならない。
(2) 試合の開始までに各レグは最低3名の選手を競技を行うコート上にそろえておかなければならない。
(3) 3名に満たないいかなるレグも試合を行うことはできず、失格となる。
6. 選手の服装
- 選手が使う一切の用具類についてはセパタクロー競技に適切な物であること。ボールのスピードを増減させたり、選手の動きを助けたり身長や動きを増すような物を身につけてはならない。また、その他の手段によって選手を不公平に利する、あるいは当人および他者を危険にさらず如何なる用具についてその使用の一切を禁じる。
- 対戦するチームは互いに異なった色のユニフォームを着用すること。
- 1つのチームは異なる色の最低2組のユニフォーム上下を用意すること。もし対戦する2チームが同じ色のユニフォームを着ている場合は、ホームチームの側が着替えることとする。(ホーム/ビジターの関係ない)中立の会場で試合が行われる場合は、試合プログラム上で初めに記載されているほうのチームが着替えることとする。
- 選手の服装はジャージ(ユニフォーム上)、ショーツあるいはパンツ(ユニフォーム下)、靴下、ゴム底でヒールのついていないシューズで構成される。服装のすべては選手当人の体の一部とみなされる。試合開始前、ジャージの裾は必ずショーツ/パンツの中に入れる。
- すべてのジャージには前と後ろの両方に番号が付けられていること。使用可能な数字は1から36までとする。
- ジャージ後ろの番号(背番号)は19cm以上であること。ジャージ前の番号は胸の部分に10cm以上であること。
- 選手名あるいは代表国名はジャージの後ろ、背番号の上にはっきりと見えるようにプリントされていること。
- ユニフォーム上のスポンサーロゴはそれぞれの競技大会規則に応じて認められる。
- ユニフォーム製造メーカーのロゴは認められたサイズにおいて選手の衣服上に見えていてもよい。
- 各レグのキャプテンは左の上腕にジャージと異なる色のアームバンドを着用すること。
- 上記に特定されていない衣服を着用する際はISTAFの承認を得る必要がある。
7. 選手交代
- 選手はチーム戦において1つより多いレグでプレーすることはできない。
- 選手の交代は、ボールがインプレー(in play)ではないときに、選手交代カードを主審に示すことでいつでも行うことができる。選手交代カードには交代で外に出る選手の番号が示される。
- 各レグにおいて、1セット中に2回までの交代が許される。一度交代によってコートの外に出た選手も同じセットの中で再び交代によってコートに戻ることができる。チーム戦、レグ戦とも、一度に1名ないし2名の交代が同時にできる。
- レグ戦では、(先発の)選手3名に加え、各レグ最大2名の控え選手を用意することができる。
-
チーム戦では、各チーム最大3名までの控え選手を用意することができる。
(1) 各チームは1つのレグについて控え選手3名のうち2名までを出場させることができる。
(2) 1つのレグに交代によって出場した控え選手はその他のレグではプレーできない。
(3) まだどのレグにも出場していない状態の控え選手は、次のレグ以降に出場することができる。
(4) 3名の控え選手全員を選手交代によって出場させ使い切ってしまったチームは、それ以上、選手交代をすることは認められない。
- 1つのレグについて、前のセット終了時にコート上にいた選手と異なる選手が新しいセットが始まる時点でコート上にいた場合は、その変更はその新しいセットにおける1度の選手交代とみなされる。
- ケガの発生において、その時点でまだそのセットにおける選手交代可能の回数が残っていて控え選手がいる場合は、ケガをした選手と交代できるが、すでに選手交代の回数を使い切って残っておらず、ケガをした選手が試合続行不可能な状態の場合は、試合は終了となり、ケガをした選手の側のレグの負けとなる。
- レグが3名に満たなくなった場合は、試合を続行することは許されず、負けとなる。
- もし1名の選手がレッドカードを示され試合から退場となったとき、そのレグにそのセットでの選手交代可能の回数が残っている場合は、選手交代が認められる。もし選手交代可能の回数を使い切って残っていない場合は、試合は終了となり退場となった選手のレグの負けとなる。
8. コイントスおよびウォームアップ
- 試合開始直前にコート審判(Court Referee)がコインあるいはディスクを対戦する両サイドのキャプテンの立ち会う目の前でトスし、トスに勝った側が「サービスの選択」か「サイドの選択」の権利を有する。トスに負けたチームは残った選択に従う。
- コイントスで勝ったレグがまず2分間の「ウォームアップ」をし、もう一方のレグが次に行う。3人の選手およびその他2人までコート内で公式球を使用し自由に動くことが出来る。
9. サービス時の選手の位置
- プレー開始時には、双方のレグの選手はそれぞれのコ-ト内で構えの態勢になっていること。
- テコンは、蹴り足ではないほうの片足をサービスサークルの内側に置き、主審が得点をコールする前に構えの態勢になっていること。蹴り足はサービスの間、自由にどのような位置に置くことができる。
- サービス側の両方の「インサイド」の選手は、各々のクォーターサークル内にいなければならない。
- レシーブ側のレグは、自分のコ-ト内のどこにいてもよい。
10. プレーの開始とサービス
- 各試合は主審(ネットの1つの端に配置)、副審(主審の反対側に配置)、サイドラインに沿って主審右の1人の線審、そしてサイドラインに沿って副審右のもう1人の線審によって取り仕切られる。
- 主審は「公式審判」(オフィシャルレフェリー)と副審によって支援される。
- 初めにサーブする側のレグは3回続けて行い、反対側のレグがそのあとに従って3回続けてサーブを行う。
- サービスは、どちらの側が得点したかに関わらず、3得点ごとに交互に入れ替わる。
- 「ローリングボール」(体の表面をボールが転がる)動きは1タッチとして数えられる。ただし首より下の体の部位を意図的ではなくボールが転がったときに限る。
デュース(得点が20対20に到達したとき)からは、サービスは1得点ごとに交互に入れ替わる。
(※補足説明:基本的には、両チームのスコアが20-20に達した時から、サーブは各チーム1本ずつ交互に行うが、20-20に到達した時点で、サービス権をもっているチームが3本のサービス権を行使していない場合は、3本のサービスを打ち終わってから、1本交互のサービスに切り替わる。)
- 前のセットでサーブをレシーブした側のレグが、続くセットで最初のサーブを行う。
- 各セットの始まりの前に選手はサイドを替わる。
- 第3セットの途中、一方のレグが11点に達したときに、チームはサイドを替わる。
- 主審が「ポイント、(チーム名)」をコールすると、サーブを行う側のテコンはサービスサークルの中でその足で次のサービスを行う態勢を整えるまでに15秒が与えられ、もし遅延のあった場合は警告を受ける。
- 汗を拭く、服装を整える、その他関係する行為はその15秒の間に済まさなければならない。
- 主審が得点のコールをしたら、サービストス(投げ)は直ちに行われなければならない。もし投げが主審が得点をコールする前に行われた場合、そのレグに対して警告が与えられる。この行為の繰り返しはフォルトとされる。
- サービスの間、テコンがボールを蹴ったら直ちにすべての選手はそれぞれのコートで自由に動くことができる。
- ボールがネットに触ったかどうかによらず、ボールがネットの上を通過し、2つのネットテープ(3.3.参照)で仕切られた境界と相手コートの境界線との内側にボールが入った場合は、そのサービスは有効となる。
- チーム戦に関し、「ノックアウトシステム」において、勝者(第1レグと第2レグを続けて勝った側)が決定すればチームは第3レグの試合を行わなくてもよい。
- チーム戦に関し、「リーグシステム」においては、義務として必ず第3レグの試合を行わなければならない。
11. フォルト
以下のような場合にフォルトとみなされる。
-
サービス時、サービスを行う側について
(1) 主審によって得点のコールがなされた後に、サービスのボールを投げる「インサイド」の選手がボ-ルをもてあそぶ(ボ-ルを投げ上げたり、床についたり、もう一方の「インサイド」の選手に渡す等)。
(2) サービスのためのボールが投げられようとしている時に、「インサイド」の選手が、足を持ち上げたり、ラインを踏んだり、ラインより足が出たり、また体の一部がネットに触れたりする。
(3) サービスが行われている最中に、そのテコンの蹴り足でないほうの足が、蹴り足によってボールを触れる前に、床から離れる、あるいは蹴り足でないほうの足がサービスサークルから完全に出てしまう。
(4) サービスのために投げられたボールをテコンが蹴らない。
(5) ボールがネットを越える前に自分側の選手に触れる。
(6) ボールがネットを越えるがコートの外に落ちる。
(7) ボールがネットを越えない。
(8) 選手が片手、両手、あるいは腕のその他の部分を、たとえそれらの部分がボールに直接触れなくても何か他の対象物や床表面に触れることで蹴る行為の補助になるように使う。
(9) サービスをする側のボールを投げる選手が、主審が得点をコールする前にボールを投げることを2度以上繰り返した時、それ以降はすべてフォルトとなる。
-
サービス時、サービスを行う側、レシーブを行う側について共通
(1) 叫ぶ、雑音を発生させる、あるいは仕草(ジェスチャー)によって、相手に対し故意に妨害をしようとすること。
-
試合中、双方のサイドについて
(1) 相手側にあるボールに触れること。
(2) 選手の体のいずれかの部分が、ネットの上から、あるいは下から、相手側のコートに入ること。ただし、「フォロースルー」の場合を除く。
(3) ボールタッチを、3回を超えて行うこと。
(4) ボールが選手の腕に触れる。
(5) 腕や脚の間、体によってボールを止めたり抱えたりすること。
(6) 選手の体のいずれかの部分が、ネット、ポスト、または主審の椅子に触れること。あるいは選手の装着しているもの、たとえばシューズ、ジャージ、ヘッドバンド等が、ネット、ポスト、または主審の椅子に触れる、あるいは相手側のコートに落ちること。
(7) ボールが天井、壁、あるいはネットを除く何らかの対象物に触れる。
(8) いずれの選手かが、ボールを蹴る行為を補助して容易にするものとして外部の対象物の支援を用いること。
12. 得点の仕組み
- サーブをする側のレグ、あるいはレシーブをする側のレグがフォルトを犯した場合、相手側に1点が与えられる。
- 2点以上の差をつけて、21点目を得点したレグがそれぞれのセットの勝者となる。
- 20対20という得点になったとき、主審は「Setting up to twenty-five (25) points」(セッティングアップ トゥ トゥエンティファイブ ポインツ)とアナウンスし、その後、「(相手に対し)2点差をつける」、「25点目に到達する」、のいずれか先に起こったほうのレグがそのセットの勝者となる。
- それぞれの試合は、3つのセットのうち、より多くのセットの勝者となったものを試合の勝者とする形式をもとに決められる。3つのセットをそれぞれ「第1セット」「第2セット」「第3セット」と呼び、セットとセットの間には2分間の休憩を取る。2つのセットを先に勝ったレグがその試合の勝者として宣言される。
13. タイムアウト
- それぞれのレグは各セット1回ずつ、1分間を超えない時間でタイムアウトを取ることができる。
- チームマネージャーあるいはコーチのみが、ボールがインプレーではない時に限り、タイムアウトをコールしてもよい。
- 試合をしているレグから選手とは違う服装をしている2名のみが、タイムアウトと休憩の間、ベースライン付近に入ることを許される。
14. プレーの一時中断
- 主審は、選手が負傷して至急の医療上の注意を要した場合、それぞれのレグについて5分間を超えない範囲で、一時的にプレーを中断することができる。
- 負傷した選手には5分間までの「injury time」(インジャリータイム)が許される。もし5分経過ののちにプレーの継続が不可能であったならば、選手交代が行われる。ただし、負傷した選手のレグが、それより以前にすでに2回の選手交代を行っている場合は、その試合は相手側の勝利となる。「injury time」は1つレグにつき、5分間を超えて与えられることはない。
- 試合に障害や妨害や邪魔が生じた場合、審判長のみが大会委員会との相談ののちに試合を中断させることができる。
- 試合の一時中断の間、全ての選手は、審判長の明示された許可なくコートを離れることは許されない。
15. 規律
- 全ての選手とチーム役員は、本競技規則に従わなければならない。
- レグのキャプテンのみが、その試合で下された最新の判定に関しての説明を求めるために主審に近づいて尋ねることができる。
- 主審の試合中の判定に異議を唱える、あるいはいかなる手段であれ円滑な試合進行を脅かす行為をするチーム役員や選手は重大な規律違反を犯したとみなされ、その者に対し懲戒処分が取られることになる。
16. 罰則
次のようなファウルや不正行為には罰則(規律上の制裁)が科せられる。
-
警告をうける違反行為
選手は以下の違反行為を行った場合、警告とともにイエローカードの提示をうける。
(1) 適切な試合進行に有害な影響を与えるような非紳士的行動。
(2) 言葉や行動で審判に異議を唱える。
(3) 繰り返し違反を犯す。
(4) プレーの開始を遅らせる。
(5) 主審の許可なく、コート内に入る、またはコートから出る。
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退場を伴う違反行為
選手は以下の違反行為を行った場合、退場とともにレッドカードの提示をうける。
(1) 危険なプレー。
(2) 相手チームの選手あるいはいずれかの他者を意図的に負傷させるような行動を含む暴力的行為。
(3) 相手チームや他者につばを吐きかける。
(4) 侮蔑的な言葉やジェスチャーを使う。
(5) 1試合に2回目のイエローカードを受ける。
-
イエローカード
コートの内外にかかわらず、試合中、相手チーム、味方チーム、審判など何人に対しても、警告を受ける違反を犯した選手に対し、イエローカードが提示される。
イエローカードを提示されることで取られる措置は以下のとおりである。(1) 違反:最初のイエローカード → 罰則:通常の警告。
(2) 違反:同一試合に限らず、同一大会での同一選手による2度目のイエローカード受領 → 罰則:1試合の出場停止。
(3) 違反:試合の出場停止後、同一大会での3度目のイエローカード → 罰則:2試合の出場停止および選手が代表している団体(クラブ、協会、連盟)に対しUS$100の罰金。
(4) 違反:4度目のイエローカード。同一大会で、同一選手が3度のイエローカードによる2回の試合出場停止処分後、4度目のイエローカード → 罰則:規律委員会(Disciplinary Committee)の判断が行われるまで、ただちに次の試合以降いかなる関連する統括団体(連盟等)の管轄する大会における試合について一切の出場停止処分。
(5) 違反:同一試合中に2度目のイエローカード → 罰則:2試合の出場停止処分および選手が代表している団体(クラブ、協会、連盟)に対しUS$100の罰金。さらに同一大会中の他の試合において3度目の違反を犯した場合、それに対し即時にレッドカードが与えられる。
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レッドカード
(1) レッドカードは、コートの内外にかかわらず、試合中、相手チーム、味方チーム、審判など何人に対しても、16.2に定める「退場を伴う違反行為」を犯した選手に対し提示される。
(2) レッドカードの違反に対する罰則は、その試合からの退場と、ただちに次の試合以降いかなる関連する統括団体(連盟等)の管轄する大会における試合について一切の出場停止処分とする。
17. チ-ム役員の不正行為
- 大会中、コートの内外に関わらず、いかなる不正行為についてもそれを犯したチーム役員およびまたはチームのメンバーに対して懲戒処分の措置が取られる。
- いかなるチーム役員も不正行為や妨害行為を起こした者は大会役員ないしは審判長に伴われて即座に大会会場内から退場に処せられ、規律委員会(Disciplinary Committee)の判断が行われるまでチーム役員の任を解かれる。
18. 総括
- 本競技規則に明記されていない事柄については、それぞれの協会または連盟の理事会に委ねられる。
※
(1)ISTAFが発行した本競技規則の原文は英語であり、この日本語版は日本セパタクロー協会によって翻訳されたものである。
(2)本文中の「※補足説明」は日本セパタクロー協会によって加筆されたものである。
1. コ-ト

-
コートの寸法
コートの大きさは縦13.4m横6.1mで、床面から8mの高さまで障害物の無いこと。
-
ボーダーライン
コ-トを囲むラインの幅は0.05mを越えてはならない。またコートの寸法よりも内側に引くこと。
-
センターライン
センタ-ラインは幅0.05mで、コ-トの左右を2等分するように引くこと。
-
フリーゾーン
コートのまわり、サイドラインおよびベースラインから3.0m以内には障害物のない状態にしておくこと。
2. ポスト
- ポストは床面からそれぞれ男子用1.55m、女子用1.45mの高さであること、またネットの張りをしっかりと保てるように立っていること。十分に丈夫な素材で作られたもので、半径0.04mを超えないこと。
- ポストの位置はセンタ-ラインの延長線上、サイドラインから外側0.3m離れたところに、まっすぐにしっかり立てること。
3. ネット
- ネットの編み目は0.06mから0.08mでナイロン製であること。
- ネットは幅が0.7mで長さは6.1m以上とする。ネットはセンタ-ラインの真上に垂直に設置すること。
- ネットの両側にはサイドラインの直上に境界線として0.05mテープを縦に巻く。これらはネットの一部とみなされる。
- ネットの最上部と最下部には幅0.05mの二重のテープで縁取り、テープ内に通した丈夫なケーブルによってポストのトップから張られ、支えるようにすること。
- ネットの中央の高さはそれぞれ男子用1.52m、女子用1.42m、ポスト付近ではそれぞれ男子用1.55m、女子用1.45mであること。
4. セパタクローボール
- セパタクローボールは合成繊維で一層に編まれた球形のものであること。
-
合成ゴムで覆われていないセパタクローボールは次の基準をそなえていなければならない。
(1) 12の穴を持つ。
(2) 20の交点を持つ。
(3) 男性用ボールは0.41mから0.43m、女性用ボールは0.42mから0.44mの円周を持つ。
(4) 男性用ボールの重量が170gmから180gm、女性用が150gmから160gmの範囲内であること。
- セパタクローボールの色は単色、2種類以上の色、明るい配色が可能で、選手のプレーの障害にならない配色であること。
- セパタクローボールの表面は、選手の身体と接触した折の衝撃を緩和するため、合成ゴムか柔軟で耐久性のある材質でカバーされたものであってもよい。材質と製造方法は試合で用いられる前にISTAFによって承認されたものであること。
- オリンピック競技大会、ワールドゲームズ、コモンウェルスゲームズ、アジア競技大会、東南アジア競技大会を含む、国際セパタクロー連盟が承認するすべての国際及び地域の試合では、国際セパタクロー連盟公認のボールを使用すること。
5. 選手
- 試合は2組の「レグ」と呼ばれる組で行う。各レグの選手は2名で構成される。
- サーブ側の2人の選手のうち1人の選手はベースラインの後ろに位置し、ベースライン沿い及びその後方のどの位置からでも、自らがボールを投げ、サーブを蹴り入れることができる。この選手は「テコン(サーバー)」と呼ばれる。
- サーブ側のもう1人のサーブを行わない選手は「オルタネート・テコン(オルタネート・サーバー)」といい、この選手とレシーブ側の選手は各コートの中で構える。
-
ダブルレグチーム戦
(1) 「チーム」と呼ばれる各チームは3つのレグから成り、最低6名、最大9名で構成される。
(2) 各選手はいずれの試合にも参加するために登録されること。
(3) 最大3名の選手を「控え」として登録することができる。控えの選手は選手交代によって出場できる。
(4) 1人の選手はチーム戦をとおして1つのレグでのみ出場できる。
(5) 試合の開始までに各チームは最低6名の登録済み選手をコート上にそろえておかなければならない。
(6) 6名に満たないいかなるチームも試合を行うことはできず、失格となる。
-
ダブルレグ戦
(1) 各レグは最低2名、最大3名(2名の先発選手と1名の控え選手)で構成される。全員が事前に登録されていなければならない。
(2) 試合の開始までに各レグは最低2名の選手をコート上にそろえておかなければならない。
(3) 2名に満たないいかなるレグも試合を行うことはできず、失格となる。
6. 選手の服装
- 選手が使う一切の用具類についてはセパタクロー競技に適切な物であること。ボールのスピードを増減させたり、選手の動きを助けたり身長や動きを増すような物を身につけてはならない。また、その他の手段によって選手を不公平に利する、あるいは当人および他者を危険にさらず如何なる用具についてその使用の一切を禁じる。
- 対戦するチームは互いに異なった色のユニフォームを着用すること。
- 1つのチームは異なる色の最低2組のユニフォーム上下を用意すること。もし対戦する2チームが同じ色のユニフォームを着ている場合は、ホームチームの側が着替えることとする。(ホーム/ビジターの関係ない)中立の会場で試合が行われる場合は、試合プログラム上で初めに記載されているほうのチームが着替えることとする。
- 選手の服装はジャージ(ユニフォーム上)、ショーツあるいはパンツ(ユニフォーム下)、靴下、ゴム底でヒールのついていないシューズで構成される。服装のすべては選手当人の体の一部とみなされる。試合開始前、ジャージの裾は必ずショーツ/パンツの中に入れる。
- すべてのジャージには前と後ろの両方に番号が付けられていること。使用可能な数字は1から36までとする。
- ジャージ後ろの番号(背番号)は19cm以上であること。ジャージ前の番号は胸の部分に10cm以上であること。
- 選手名あるいは代表国名はジャージの後ろ、背番号の上にはっきりと見えるようにプリントされていること。
- ユニフォーム上のスポンサーロゴはそれぞれの競技大会規則に応じて認められる。
- ユニフォーム製造メーカーのロゴは認められたサイズにおいて選手の衣服上に見えていてもよい。
- 各レグのキャプテンは左の上腕にジャージと異なる色のアームバンドを着用すること。
- 上記に特定されていない衣服を着用する際はISTAFの承認を得る必要がある。
7. 選手交代
- 選手はチーム戦において1つより多いレグでプレーすることはできない。
- 選手の交代は、ボールがインプレー(in play)ではないときに、選手交代カードを主審に示すことでいつでも行うことができる。選手交代カードには交代で外に出る選手の番号が示される。
- 各レグにおいて、1セット中に2回までの交代が許される。一度交代によってコートの外に出た選手も同じセットの中で再び交代によってコートに戻ることができる。
- レグ戦では、(先発の)選手2名に加え、各レグ1名の控え選手を用意することができる。
-
チーム戦では、各チーム最大3名までの控え選手を用意することができる。
(1) 各チームは1つのレグについて控え選手3名のうち1名までを出場させることができる。
(2) 1つのレグに交代によって出場した控え選手はその他のレグではプレーできない。
(3) まだどのレグにも出場していない状態の控え選手は、次のレグ以降に出場することができる。
(4) 3名の控え選手全員を選手交代によって出場させ使い切ってしまったチームは、それ以上、選手交代をすることは認められない。
- 1つのレグについて、前のセット終了時にコート上にいた選手と異なる選手が新しいセットが始まる時点でコート上にいた場合は、その変更はその新しいセットにおける1度の選手交代とみなされる。
- ケガの発生において、その時点でまだそのセットにおける選手交代可能の回数が残っていて控え選手がいる場合は、ケガをした選手と交代できるが、すでに選手交代の回数を使い切って残っておらず、ケガをした選手が試合続行不可能な状態の場合は、試合は終了となり、ケガをした選手の側のレグの負けとなる。
- レグが2名に満たなくなった場合は、試合を続行することは許されず、負けとなる。
- もし1名の選手がレッドカードを示され試合から退場となったとき、そのレグにそのセットでの選手交代可能の回数が残っている場合は、選手交代が認められる。もし選手交代可能の回数を使い切って残っていない場合は、試合は終了となり退場となった選手のレグの負けとなる。
8. コイントスおよびウォ-ミングアップ
- 試合開始直前にコート審判(Court Referee)がコインあるいはディスクを対戦する両サイドのキャプテンの立ち会う目の前でトスし、トスに勝った側が「サービスの選択」か「サイドの選択」の権利を有する。トスに負けたチームは残った選択に従う。
- コイントスで勝ったレグがまず2分間の「ウォームアップ」をし、もう一方のレグが次に行う。3人の選手およびその他2人までコート内で公式球を使用し自由に動くことが出来る。
9. サービス時の選手の位置
- プレー開始時には、両方の"レグ"の選手は各コ-ト内で試合のできる態勢になっていること。
- サーブを行おうとするサーバーは両足をベースラインの外側に置いていなければならない。
- サーブは自陣コートのベースラインに沿って、ベースラインを踏まずかつコート内に足を踏み入れずに行われなければならない。
- サーブ側レグのサーブをしない方の選手は、自陣のコート内に位置することとし、サーブが行われている間は一定の位置に留まっていること。
- レシーブ側レグの選手の視界を意図的に遮ったり妨げたりする行為を防ぐため、サーブされたボールが相手コートに届くまでの間、サーブ側レグのサーブをしない選手が、肩より上に腕を上げたり意図的に相手を妨害するような行為を行うことは禁止される。
- レシーブ側のレグは、自分のコ-ト内のどこにいてもよい。
10. プレー開始およびサービス
- 各試合は主審(ネットの1つの端に配置)、副審(主審の反対側に配置)、サイドラインに沿って主審右の1人の線審、そしてサイドラインに沿って副審右のもう1人の線審によって取り仕切られる。
- 主審はコート外の「公式審判」(オフィシャルレフェリー)によって支援される。
- 初めにサーブする側のレグは3回続けて行い、反対側のレグがそのあとに従って3回続けてサーブを行う。
- サーブする側のレグは1回のサーブが行われるごとにサーブする選手「テコン(サーバー)」を交代させる。
- サービスは、どちらの側が得点したかに関わらず、3得点ごとに交互に入れ替わる。
- 「ローリングボール」(体の表面をボールが転がる)動きは1タッチとして数えられる。ただし首より下の体の部位を意図的ではなくボールが転がったときに限る。
- デュース(得点が20対20に到達したとき)からは、サービスは1得点ごとに交互に入れ替わる。
- 前のセットでサーブをレシーブした側のレグが、続くセットで最初のサーブを行う。
- 各セットの始まりの前に選手はサイドを替わる。
- 第3セットの途中、一方のレグが11点に達したときに、チームはサイドを替わる。
- 主審が「ポイント、(チーム名)」をコールした後、サーブを行う側のテコンはベースラインの後方に足を置きサーブを行う態勢を整えるまでに15秒が与えられる。もし遅延のあった場合は警告を受ける。遅延が繰り返されたときフォルトとされる。
- 汗を拭く、服装を整える、その他関係する行為はその15秒の間に済まさなければならない。
- 主審が得点のコールをしたら、サービストス(投げ)は直ちに行われなければならない。もし投げが主審が得点をコールする前に行われた場合、そのレグに対して警告が与えられる。この行為の繰り返しはフォルトとされる。
- サービスの間、テコンがボールを蹴ったら直ちにすべての選手はそれぞれのコートで自由に動くことができる。
- ボールがネットに触ったかどうかによらず、ボールがネットの上を通過し、2つのネットテープ(3.3.参照)で仕切られた境界と相手コートの境界線との内側にボールが入った場合は、そのサービスは有効となる。
- チーム戦に関し、「ノックアウトシステム」において、勝者(第1レグと第2レグを続けて勝った側)が決定すればチームは第3レグの試合を行わなくてもよい。
- チーム戦に関し、「リーグシステム」においては、義務として必ず第3レグの試合を行わなければならない。
11.フォルト
以下のような場合にフォルトとみなされる。
-
サービス時、サービスを行う側について
(1) 主審によって得点のコールがなされた後に、テコンの選手がボ-ルをもてあそぶ(ボ-ルを投げ上げたり、床についたり等)。
(2) サーブを行う側のレグの、サーブをしない方の選手が、サーブ時の所定の立ち位置から離れた場合。
(3) サーブを行う選手が15秒ルールに反してサービスの準備態勢に入らない行為を2回行った場合。
(4) テコンが、サービスボ-ルを蹴る前に軸足が床から離れたり、ベースラインに触れる。
(5) サービスのために投げられたボールをテコンが蹴らない。
(6) ボールがネットを越える前に自分側の選手に触れる。
(7) ボールがネットを越えるがコートの外に落ちる。
(8) ボールがネットを越えない。
(9) 選手が片手、両手、あるいは腕のその他の部分を、たとえそれらの部分がボールに直接触れなくても何か他の対象物や床表面に触れることで蹴る行為の補助になるように使う。
(10) サービスをする側のボールを投げる選手が、主審が得点をコールする前にボールを投げることを2度以上繰り返した時。
-
サービス時、サービスを行う側、レシーブを行う側について共通
(1) 叫ぶ、雑音を発生させる、あるいは仕草(ジェスチャー)によって、相手に対し故意に妨害をしようとすること。
-
試合中、双方のサイドについて
(1) 相手側にあるボールに触れること。
(2) 選手の体のいずれかの部分が、ネットの上から、あるいは下から、相手側のコートに入ること。ただし、「フォロースルー」の場合を除く。
(3) ボールタッチを、3回を超えて行うこと。
(4) ボールが選手の腕に触れる。
(5) 腕や脚の間、体によってボールを止めたり抱えたりすること。
(6) 選手の体のいずれかの部分が、ネット、ポスト、または主審の椅子に触れること。あるいは選手の装着しているもの、たとえばシューズ、ジャージ、ヘッドバンド等が、ネット、ポスト、または主審の椅子に触れる、あるいは相手側のコートに落ちること。
(7) ボールが天井、壁、あるいはネットを除く何らかの対象物に触れる。
(8) いずれの選手かが、ボールを蹴る行為を補助して容易にするものとして外部の対象物の支援を用いること。
12. 得点の仕組み
- サーブをする側のレグ、あるいはレシーブをする側のレグがフォルトを犯した場合、相手側に1点が与えられる。
- 2点以上の差をつけて、21点目を得点したレグがそれぞれのセットの勝者となる。
- 20対20という得点になったとき、主審は「Setting up to twenty-five (25) points」(セッティングアップ トゥ トゥエンティファイブ ポインツ)とアナウンスし、その後、「(相手に対し)2点差をつける」、「25点目に到達する」、のいずれか先に起こったほうのレグがそのセットの勝者となる。
- それぞれの試合は、3つのセットのうち、より多くのセットの勝者となったものを試合の勝者とする形式をもとに決められる。3つのセットをそれぞれ「第1セット」「第2セット」「第3セット」と呼び、セットとセットの間には2分間の休憩を取る。2つのセットを先に勝ったレグがその試合の勝者として宣言される。
13. タイムアウト
- それぞれのレグは各セット1回ずつ、1分間を超えない時間でタイムアウトを取ることができる。
- チームマネージャーあるいはコーチのみが、ボールがインプレーではない時に限り、タイムアウトをコールしてもよい。
- 試合をしているレグから選手とは違う服装をしている2名のみが、タイムアウトと休憩の間、ベースライン付近に入ることを許される。
14. 試合の一時中断
- 主審は、選手が負傷して至急の医療上の注意を要した場合、それぞれのレグについて5分間を超えない範囲で、一時的にプレーを中断することができる。
- 負傷した選手には5分間までの「injury time」(インジャリータイム)が許される。もし5分経過ののちにプレーの継続が不可能であったならば、選手交代が行われる。ただし、負傷した選手のレグが、それより以前にすでに2回の選手交代を行っている場合は、その試合は相手側の勝利となる。「injury time」は1つレグにつき、5分間を超えて与えられることはない。
- 試合に障害や妨害や邪魔が生じた場合、「公式審判」(オフィシャルレフェリー)のみが大会委員会との相談ののちに試合を中断させることができる。
- 試合の一時中断の間、全ての選手は、「公式審判」(オフィシャルレフェリー)の明示された許可なくコートを離れることは許されない。
15. 規律
- 全ての選手とチーム役員は、本競技規則に従わなければならない。
- レグのキャプテンのみが、その試合で下された最新の判定に関しての説明を求めるために主審に近づいて尋ねることができる。
- 主審の試合中の判定に異議を唱える、あるいはいかなる手段であれ円滑な試合進行を脅かす行為をするチーム役員や選手は重大な規律違反を犯したとみなされ、その者に対し懲戒処分が取られることになる。
16. 罰則
次のようなファウルや不正行為には罰則(規律上の制裁)が科せられる。
-
警告をうける違反行為
選手は以下の違反行為を行った場合、警告とともにイエローカードの提示をうける。
(1) 適切な試合進行に有害な影響を与えるような非紳士的行動。
(2) 言葉や行動で審判に異議を唱える。
(3) 繰り返し違反を犯す。
(4) プレーの開始を遅らせる。
(5) 主審の許可なく、コート内に入る、またはコートから出る。
-
退場を伴う違反行為
選手は以下の違反行為を行った場合、退場とともにレッドカードの提示をうける。
(1) 危険なプレー。
(2) 相手チームの選手あるいはいずれかの他者を意図的に負傷させるような行動を含む暴力的行為。
(3) 相手チームや他者につばを吐きかける。
(4) 侮蔑的な言葉やジェスチャーを使う。
(5) 1試合に2回目のイエローカードを受ける。
-
イエローカード
コートの内外にかかわらず、試合中、相手チーム、味方チーム、審判など何人に対しても、警告を受ける違反を犯した選手に対し、イエローカードが提示される。
イエローカードを提示されることで取られる措置は以下のとおりである。
(1) 違反:最初のイエローカード → 罰則:通常の警告。
(2) 違反:同一試合に限らず、同一大会での同一選手による2度目のイエローカード受領 → 罰則:1試合の出場停止。
(3) 違反:試合の出場停止後、同一大会での3度目のイエローカード → 罰則:2試合の出場停止および選手が代表している団体(クラブ、協会、連盟)に対しUS$100の罰金。
(4) 違反:4度目のイエローカード。同一大会で、同一選手が3度のイエローカードによる2回の試合出場停止処分後、4度目のイエローカード → 罰則:規律委員会(Disciplinary Committee)の判断が行われるまで、ただちに次の試合以降いかなる関連する統括団体(連盟等)の管轄する大会における試合について一切の出場停止処分。
(5) 違反:同一試合中に2度目のイエローカード → 罰則:2試合の出場停止処分および選手が代表している団体(クラブ、協会、連盟)に対しUS$100の罰金。さらに同一大会中の他の試合において3度目の違反を犯した場合、それに対し即時にレッドカードが与えられる。
-
レッドカード
(1) レッドカードは、コートの内外にかかわらず、試合中、相手チーム、味方チーム、審判など何人に対しても、16. 2に定める「退場を伴う違反行為」を犯した選手に対し提示される。
(2) レッドカードの違反に対する罰則は、その試合からの退場と、ただちに次の試合以降いかなる関連する統括団体(連盟等)の管轄する大会における試合について一切の出場停止処分とする。
17. チ-ム役員の不正行為
- 大会中、コートの内外に関わらず、いかなる不正行為についてもそれを犯したチーム役員およびまたはチームのメンバーに対して懲戒処分の措置が取られる。
- いかなるチーム役員も不正行為や妨害行為を起こした者は大会役員ないしは審判長に伴われて即座に大会会場内から退場に処せられ、規律委員会(Disciplinary Committee)の判断が行われるまでチーム役員の任を解かれる。
- 規律を犯したチーム役員は16. 4に定めるルールと同等の扱いを受ける。
18. 総括
- 本競技規則に明記されていない事柄については、それぞれの協会または連盟の理事会に委ねられる。
1. コ-ト

-
コートの寸法
コートの大きさは縦13.4m横6.1mで、床面から8mの高さまで障害物の無いこと。
-
ボーダーライン
コ-トを囲むラインの幅は0.05m以下でなければならない。またコートの寸法よりも内側に引くこと。
-
センターライン
センタ-ラインは幅0.05mで、コ-トの左右を2等分するように引くこと。
-
フリーゾーン
コートのまわり、サイドラインおよびベースラインから3.0m以内には障害物のない状態にしておくこと。
2. ポスト
- ポストは床面からそれぞれ男子用1.55m、女子用1.45mの高さであること、またネットの張りをしっかりと保てるように立っていること。十分に丈夫な素材で作られたもので、半径0.04mを超えないこと。
- ポストの位置はセンタ-ラインの延長線上、サイドラインから外側0.3m離れたところに、まっすぐにしっかり立てること。
3. ネット
- ネットの編み目は0.06mから0.08mでナイロン製であること。
- ネットは幅が0.7mで長さは6.1m以上とする。ネットはセンタ-ラインの真上に垂直に設置すること。
- ネットの両側にはサイドラインの直上に境界線として0.05mテープを縦に巻く。これらはネットの一部とみなされる。
- ネットの最上部と最下部には幅0.05mの二重のテープで縁取り、テープ内に通した丈夫なケーブルによってポストのトップから張られ、支えるようにすること。
- ネットの中央の高さはそれぞれ男子用1.52m、女子用1.42m、ポスト付近ではそれぞれ男子用1.55m、女子用1.45mであること。
4. セパタクローボール
- セパタクローボールは合成繊維で一層に編まれた球形のものであること。
-
合成ゴムで覆われていないセパタクローボールは次の基準をそなえていなければならない。
(1) 12の穴を持つ。
(2) 20の交点を持つ。
(3) 男性用ボールは0.41mから0.43m、女性用ボールは0.42mから0.44mの円周を持つ。
(4) 男性用ボールの重量が170gmから180gm、女性用が150gmから160gmの範囲内であること。
- セパタクローボールの色は単色、2種類以上の色、明るい配色が可能で、選手のプレーの障害にならない配色であること。
- セパタクローボールの表面は、選手の身体と接触した折の衝撃を緩和するため、合成ゴムか柔軟で耐久性のある材質でカバーされたものであってもよい。材質と製造方法は試合で用いられる前にISTAFによって承認されたものであること。
- オリンピック競技大会、ワールドゲームズ、コモンウェルスゲームズ、アジア競技大会、東南アジア競技大会を含む、国際セパタクロー連盟が承認するすべての国際及び地域の試合では、国際セパタクロー連盟公認のボールを使用すること。
5. 選手
- 試合は2組の「レグ」と呼ばれる組で行う。各レグの選手は4名で構成される。
- サーブ側の4人の選手のうち1人の選手はベースラインの後ろに位置し、ベースライン沿い及びその後方のどの位置からでも、自らがボールを投げ、サーブを蹴り入れることができる。この選手は「テコン(サーバー)」と呼ばれる。
- 4人の選手の内どの選手でもサーブを行うことができる。他の3人の選手は各コートの中で構えていなければならない。
-
クワッドチーム戦
(1) 「チーム」と呼ばれる各チームは2つのレグから成り、最低8名、最大12名で構成される。
(2) 各選手はいずれの試合にも参加するために登録されること。
(3) 最大4名の選手を「控え」として登録することができる。控えの選手は選手交代によって出場できる。
(4) 1人の選手はチーム戦をとおして1つのレグでのみ出場できる。ただし3番目レグについてはこの限りではない。
(5) 試合の開始までに各チームは最低8名の登録済み選手をコート上にそろえておかなければならない。
(6) 8名に満たないいかなるチームも試合を行うことはできず、失格となる。
(7) 3番目レグの組成にあたり、登録済みの(最大)12名の選手から自由に選手を選択することができる。
-
クワッドレグ戦
(1) 各レグは最低4名、最大6名(4名の先発選手と2名の控え選手)で構成される。全員が事前に登録されていなければならない。
(2) 試合の開始までに各レグは最低4名の選手をコート上にそろえておかなければならない。
(3) 4名に満たないいかなるレグも試合を行うことはできず、失格となる。
6. 選手の服装
- 選手が使う一切の用具類についてはセパタクロー競技に適切な物であること。ボールのスピードを増減させたり、選手の動きを助けたり身長や動きを増すような物を身につけてはならない。また、その他の手段によって選手を不公平に利する、あるいは当人および他者を危険にさらず如何なる用具についてその使用の一切を禁じる。
- 対戦するチームは互いに異なった色のユニフォームを着用すること。
- 1つのチームは異なる色の最低2組のユニフォーム上下を用意すること。もし対戦する2チームが同じ色のユニフォームを着ている場合は、ホームチームの側が着替えることとする。(ホーム/ビジターの関係ない)中立の会場で試合が行われる場合は、試合プログラム上で初めに記載されているほうのチームが着替えることとする。
- 選手の服装はジャージ(ユニフォーム上)、ショーツあるいはパンツ(ユニフォーム下)、靴下、ゴム底でヒールのついていないシューズで構成される。服装のすべては選手当人の体の一部とみなされる。試合開始前、ジャージの裾は必ずショーツ/パンツの中に入れる。
- すべてのジャージには前と後ろの両方に番号が付けられていること。使用可能な数字は1から36までとする。
- ジャージ後ろの番号(背番号)は19cm以上であること。ジャージ前の番号は胸の部分に10cm以上であること。
- 選手名あるいは代表国名はジャージの後ろ、背番号の上にはっきりと見えるようにプリントされていること。
- ユニフォーム上のスポンサーロゴはそれぞれの競技大会規則に応じて認められる。
- ユニフォーム製造メーカーのロゴは認められたサイズにおいて選手の衣服上に見えていてもよい。
- 各レグのキャプテンは左の上腕にジャージと異なる色のアームバンドを着用すること。
- 上記に特定されていない衣服を着用する際はISTAFの承認を得る必要がある。
7. 選手交代
- 選手はチーム戦において1つより多いレグでプレーすることはできない。ただし3番目レグについてはこの限りではない。
- 選手の交代は、ボールがインプレー(in play)ではないときに、選手交代カードを主審に示すことでいつでも行うことができる。選手交代カードには交代で外に出る選手の番号が示される。
- 各レグにおいて、1セット中に2回までの交代が許される。一度交代によってコートの外に出た選手も同じセットの中で再び交代によってコートに戻ることができる。2回の交代を同時に行うこともできる。
- レグ戦では、(先発の)選手4名に加え、各レグ2名の控え選手を用意することができる。
-
チーム戦では、各チーム最大4名までの控え選手を用意することができる。
(1) 各チームは1つのレグについて控え選手4名のうち2名までを出場させることができる。
(2) 1つのレグに交代によって出場した控え選手はその他のレグではプレーできない。
(3) まだどのレグにも出場していない状態の控え選手は、次のレグ以降に出場することができる。
(4) 2名の控え選手全員を選手交代によって出場させ使い切ってしまったチームは、それ以上、選手交代をすることは認められない。
- 1つのレグについて、前のセット終了時にコート上にいた選手と異なる選手が新しいセットが始まる時点でコート上にいた場合は、その変更はその新しいセットにおける1度の選手交代とみなされる。
- ケガの発生において、その時点でまだそのセットにおける選手交代可能の回数が残っていて控え選手がいる場合は、ケガをした選手と交代できるが、すでに選手交代の回数を使い切って残っておらず、ケガをした選手が試合続行不可能な状態の場合は、試合は終了となり、ケガをした選手の側のレグの負けとなる。
- レグが4名に満たなくなった場合は、試合を続行することは許されず、負けとなる。
- チーム戦において、レグが4名に満たなくなった場合は、試合を続行することは許されず、そのレグの負けとなる
- もし1名の選手がレッドカードを示され試合から退場となったとき、そのレグにそのセットでの選手交代可能の回数が残っている場合は、選手交代が認められる。もし選手交代可能の回数を使い切って残っていない場合は、試合は終了となり退場となった選手のレグの負けとなる。
8. コイントスおよびウォ-ミングアップ
- 試合開始直前にコート審判(Court Referee)がコインあるいはディスクを対戦する両サイドのキャプテンの立ち会う目の前でトスし、トスに勝った側が「サービスの選択」か「サイドの選択」の権利を有する。トスに負けたチームは残った選択に従う。
- コイントスで勝ったレグがまず2分間の「ウォームアップ」をし、もう一方のレグが次に行う。3人の選手およびその他2人までコート内で公式球を使用し自由に動くことが出来る。
9. サービス時の選手の位置
- プレー開始時には、両方の"レグ"の選手は各コ-ト内で試合のできる態勢になっていること。
- サーブを行おうとするサーバーは両足をベースラインの外側に置いていなければならない。
- サーブは自陣コートのベースラインに沿ったいずれの位置からでも行うことができる。
- サーブは自陣コートのベースラインを踏まずかつコート内に足を踏み入れずに行われなければならない。
- サーブ側レグのサーブをしない方の選手は、自陣のコート内に位置することとし、サーブが行われている間は一定の位置に留まっていること。
- レシーブ側レグの選手の視界を意図的に遮ったり妨げたりする行為を防ぐため、サーブされたボールが相手コートに届くまでの間、サーブ側レグのサーブをしない選手が、肩より上に腕を上げたり意図的に相手を妨害するような行為を行うことは禁止される。
- レシーブ側のレグは、自分のコ-ト内のどこにいてもよい。
10. プレー開始およびサービス
- 各試合は主審(ネットの1つの端に配置)、副審(主審の反対側に配置)、サイドラインに沿って主審右の1人の線審、そしてサイドラインに沿って副審右のもう1人の線審によって取り仕切られる。
- 主審はコート外の「公式審判」(オフィシャルレフェリー)によって支援される。
- 初めにサーブする側のレグは3回続けて行い、反対側のレグがそのあとに従って3回続けてサーブを行う。
- サーブは毎回どの選手が行っても良い。
- サービスは、どちらの側が得点したかに関わらず、3得点ごとに交互に入れ替わる。
- 「ローリングボール」(体の表面をボールが転がる)動きは1タッチとして数えられる。ただし首より下の体の部位を意図的ではなくボールが転がったときに限る。
- デュース(得点が20対20に到達したとき)からは、サービスは1得点ごとに交互に入れ替わる。
- 前のセットでサーブをレシーブした側のレグが、続くセットで最初のサーブを行う。
- 各セットの始まりの前に選手はサイドを替わる。
- 第3セットの途中、一方のレグが11点に達したときに、チームはサイドを替わる。
- 主審が「ポイント、(チーム名)」をコールした後、サーブを行う側のテコンはベースラインの後方に足を置きサーブを行う態勢を整えるまでに15秒が与えられる。もし遅延のあった場合は警告を受ける。遅延が繰り返されたときフォルトとされる。
- 汗を拭く、服装を整える、その他関係する行為はその15秒の間に済まさなければならない。
- 主審が得点のコールをしたら、サービストス(投げ)は直ちに行われなければならない。もし投げが主審が得点をコールする前に行われた場合、そのレグに対して警告が与えられる。この行為の繰り返しはフォルトとされる。
- サービスの間、テコンがボールを蹴ったら直ちにすべての選手はそれぞれのコートで自由に動くことができる。
- ボールがネットに触ったかどうかによらず、ボールがネットの上を通過し、2つのネットテープ(3.3.参照)で仕切られた境界と相手コートの境界線との内側にボールが入った場合は、そのサービスは有効となる。
- チーム戦に関し、「ノックアウトシステム」において、勝者(第1レグと第2レグを続けて勝った側)が決定すればチームは第3レグの試合を行わなくてもよい。
- チーム戦に関し、「リーグシステム」においては、義務として必ず第3レグの試合を行わなければならない。
11. フォルト
以下のような場合にフォルトとみなされる。
-
サービス時、サービスを行う側について
(1) 主審によって得点のコールがなされた後に、テコンの選手がボ-ルをもてあそぶ(ボ-ルを投げ上げたり、床についたり 等)。
(2) サーブを行う選手が15秒ルールに反してサービスの準備態勢に入らない行為を2回行った場合。
(3) サーブを行っている間にサーブを行う選手の軸足がベースラインに触れる、もしくはコート内に入る。ボールをベースラインよりも後ろ側で蹴りその蹴り足がベースラインに触れる、もしくはコートに入る。
(4) サービスのために投げられたボールをテコンが蹴らない。
(5) ボールがネットを越える前に自分側の選手に触れる。
(6) ボールがネットを越えるがコートの外に落ちる。
(7) ボールがネットを越えない。
(8) 選手が片手、両手、あるいは腕のその他の部分を、たとえそれらの部分がボールに直接触れなくても何か他の対象物や床表面に触れることで蹴る行為の補助になるように使う。
(9) サービスをする側のボールを投げる選手が、主審が得点をコールする前にボールを投げることを2度以上繰り返した時。
-
サービス時、サービスを行う側、レシーブを行う側について共通
(1) 叫ぶ、雑音を発生させる、あるいは仕草(ジェスチャー)によって、相手に対し故意に妨害をしようとすること。
-
試合中、双方のサイドについて
(1) 相手側にあるボールに触れること。
(2) 選手の体のいずれかの部分が、ネットの上から、あるいは下から、相手側のコートに入ること。ただし、「フォロースルー」の場合を除く。
(3) ボールタッチを、3回を超えて行うこと。
(4) ボールが選手の腕に触れる。
(5) 腕や脚の間、体によってボールを止めたり抱えたりすること。
(6) 選手の体のいずれかの部分が、ネット、ポスト、または主審の椅子に触れること。あるいは選手の装着しているもの、たとえばシューズ、ジャージ、ヘッドバンド等が、ネット、ポスト、または主審の椅子に触れる、あるいは相手側のコートに落ちること。
(7) ボールが天井、壁、あるいはネットを除く何らかの対象物に触れる。
(8) いずれの選手かが、ボールを蹴る行為を補助して容易にするものとして外部の対象物の支援を用いること。
12. 得点の仕組み
- サーブをする側のレグ、あるいはレシーブをする側のレグがフォルトを犯した場合、相手側に1点が与えられる。
- 2点以上の差をつけて、21点目を得点したレグがそれぞれのセットの勝者となる。
- 20対20という得点になったとき、主審は「Setting up to twenty-five (25) points」(セッティングアップ トゥ トゥエンティファイブ ポインツ)とアナウンスし、その後、「(相手に対し)2点差をつける」、「25点目に到達する」、のいずれか先に起こったほうのレグがそのセットの勝者となる。
- それぞれの試合は、3つのセットのうち、より多くのセットの勝者となったものを試合の勝者とする形式をもとに決められる。3つのセットをそれぞれ「第1セット」「第2セット」「第3セット」と呼び、セットとセットの間には2分間の休憩を取る。2つのセットを先に勝ったレグがその試合の勝者として宣言される。
13. タイムアウト
- それぞれのレグは各セット1回ずつ、1分間を超えない時間でタイムアウトを取ることができる。
- チームマネージャーあるいはコーチのみが、ボールがインプレーではない時に限り、タイムアウトをコールしてもよい。
- 試合をしているレグから選手とは違う服装をしている2名のみが、タイムアウトと休憩の間、ベースライン付近に入ることを許される。
14. 試合の一時中断
- 主審は、選手が負傷して至急の医療上の注意を要した場合、それぞれのレグについて5分間を超えない範囲で、一時的にプレーを中断することができる。
- 負傷した選手には5分間までの「injury time」(インジャリータイム)が許される。もし5分経過ののちにプレーの継続が不可能であったならば、選手交代が行われる。ただし、負傷した選手のレグが、それより以前にすでに2回の選手交代を行っている場合は、その試合は相手側の勝利となる。「injury time」は1つレグにつき、5分間を超えて与えられることはない。
- 試合に障害や妨害や邪魔が生じた場合、「公式審判」(オフィシャルレフェリー)のみが大会委員会との相談ののちに試合を中断させることができる。
- 試合の一時中断の間、全ての選手は、「公式審判」(オフィシャルレフェリー)の明示された許可なくコートを離れることは許されない。
15. 規律
- 全ての選手とチーム役員は、本競技規則に従わなければならない。
- レグのキャプテンのみが、その試合で下された最新の判定に関しての説明を求めるために主審に近づいて尋ねることができる。
- 主審の試合中の判定に異議を唱える、あるいはいかなる手段であれ円滑な試合進行を脅かす行為をするチーム役員や選手は重大な規律違反を犯したとみなされ、その者に対し懲戒処分が取られることになる。
16. 罰則
次のようなファウルや不正行為には罰則(規律上の制裁)が科せられる。
-
警告をうける違反行為
選手は以下の違反行為を行った場合、警告とともにイエローカードの提示をうける。
(1) 適切な試合進行に有害な影響を与えるような非紳士的行動。
(2) 言葉や行動で審判に異議を唱える。
(3) 繰り返し違反を犯す。
(4) プレーの開始を遅らせる。
(5) 主審の許可なく、コート内に入る、またはコートから出る。
-
退場を伴う違反行為
選手は以下の違反行為を行った場合、退場とともにレッドカードの提示をうける。
(1) 危険なプレー。
(2) 相手チームの選手あるいはいずれかの他者を意図的に負傷させるような行動を含む暴力的行為。
(3) 相手チームや他者につばを吐きかける。
(4) 侮蔑的な言葉やジェスチャーを使う。
(5) 1試合に2回目のイエローカードを受ける。
-
イエローカード
コートの内外にかかわらず、試合中、相手チーム、味方チーム、審判など何人に対しても、警告を受ける違反を犯した選手に対し、イエローカードが提示される。イエローカードを提示されることで取られる措置は以下のとおりである。
(1) 違反:最初のイエローカード → 罰則:通常の警告。
(2) 違反:同一試合に限らず、同一大会での同一選手による2度目のイエローカード受領 → 罰則:1試合の出場停止。
(3) 違反:試合の出場停止後、同一大会での3度目のイエローカード → 罰則:2試合の出場停止および選手が代表している団体(クラブ、協会、連盟)に対しUS$100の罰金。
(4) 違反:4度目のイエローカード。同一大会で、同一選手が3度のイエローカードによる2回の試合出場停止処分後、4度目のイエローカード → 罰則:規律委員会(Disciplinary Committee)の判断が行われるまで、ただちに次の試合以降いかなる関連する統括団体(連盟等)の管轄する大会における試合について一切の出場停止処分。
(5) 違反:同一試合中に2度目のイエローカード → 罰則:2試合の出場停止処分および選手が代表している団体(クラブ、協会、連盟)に対しUS$100の罰金。さらに同一大会中の他の試合において3度目の違反を犯した場合、それに対し即時にレッドカードが与えられる。
-
レッドカード
(1) レッドカードは、コートの内外にかかわらず、試合中、相手チーム、味方チーム、審判など何人に対しても、16. 2に定める「退場を伴う違反行為」を犯した選手に対し提示される。
(2) レッドカードの違反に対する罰則は、その試合からの退場と、ただちに次の試合以降いかなる関連する統括団体(連盟等)の管轄する大会における試合について一切の出場停止処分とする。
17. チ-ム役員の不正行為
- 大会中、コートの内外に関わらず、いかなる不正行為についてもそれを犯したチーム役員およびまたはチームのメンバーに対して懲戒処分の措置が取られる。
- いかなるチーム役員も不正行為や妨害行為を起こした者は大会役員ないしは審判長に伴われて即座に大会会場内から退場に処せられ、規律委員会(Disciplinary Committee)の判断が行われるまでチーム役員の任を解かれる。
- 規律を犯したチーム役員は16. 4に定めるルールと同等の扱いを受ける。
18. 総括
- 本競技規則に明記されていない事柄については、それぞれの協会または連盟の理事会に委ねられる。
1. コ-ト
- 表面は平滑であり、直径4mの円が4cm幅の線で描かれていること。
- コートの表面上最低8mにあらゆる障害物が存在しない空間があること。
- 公式フープは円の中心点上に滑車から最低50cm長のロープにより吊るされていること。
2. 公式フープ
公式フープは三角形を形成するのに接合された、内径50cmの同一のフープ3つにて構成される。クッションが巻かれた金属製のもので、周辺長さが10cm以内であること。ロープのネットバスケットを各フープにつける。公式フープの最底辺がフロアから男子の場合4.75m、女子の場合4.5mであること。
3. 公式ボール
- セパタクローボールは編みこみ式の球形のものである。
-
合成ゴムで形成されていないセパタクローボールは次の基準をそなえていなければならない。
(1) 12の穴と20の交点を持つ。
(2) 男性用ボールが0.41mから0.43m、女性用ボールが0.42mから0.44mの円周を要する。
(3) 男性用ボールの重量が170gmから180gm、女性用が150gmから160gmの範囲内であること。
- セパタクローボールの色は簡素な単色、マルチカラーと明るい配色が可能で、選手のプレーの障害にならない配色にすること。
- セパタクローボールの表面は選手の身体と接触した折の衝撃を緩和するため、合成ゴムか柔軟で耐久性のある材質で製造する。
- オリンピック、ワールドゲーム、英連邦ゲーム、アジア大会、東南アジア大会を含む、国際セパタクロー連盟の承認のあるすべての国際試合及び地域の試合では、国際セパタクロー連盟公認のボールを使用すること。
4. 選手
- 各チームは選手5名、および控え選手1名にて構成される。競技会スケジュールより30分前に選手名リストを提出する。
- 怪我、もしくはテクニカル要因のための選手交代は1度のみ許可される。交代された選手が得点を数える。
5. 選手の服装
- 選手が使う一切の用具類についてはセパタクロー競技に適切な物であること。ボールのスピードを増減させたり、選手の動きを助けたり身長を増すような物を身につけてはならない。或いは、その他の手段にて選手に不公平に利する如何なる用具類についてその使用を一切禁じる。
- 混乱や障害をさけるため、2組の対戦するチームは異なった色のユニフォームを着用すること。
- 各チームは、ジャージ/Tシャツを少なくとも2組は所持すること。色は1つが明るい色、もう1方が暗い色とする。もし試合会場に到着した対戦チームが両チームともに同色のジャージを着用している場合は、ホームチームが着衣を変えること。また、試合会場がどちらのチームにとっても中立的な会場である場合はプログラムの最初に試合を行うチームが着衣を変えること。
- 選手はジャージ/Tシャツ、短パン、靴下、ゴム底でヒールの無いスポーツシューズを身につけること。選手が身につけるものは全て選手の身体の一部と見なされる。ジャージ/Tシャツは短パンの中に入れること。寒い時はトラック用ス-ツを着ることが許されている。
- 各チームまたはレグの全てのジャージ/Tシャツは同色とし1から15までの背番号を付けること。背番号は着用するジャージ/Tシャツの色と対照的な色合いとし、大きさは縦19㎝以上であること。
- 各レグのキャプテンは左腕にアームバンドを着用すること。アームバンドはジャージ/Tシャツの色とは異なる色とすること。
- 本ルールに説明されていない着衣についてはISTAFテクニカルコミッションの許可を前もってうけること。
6. ウォームアップ
- 6名の選手が練習を2分間行なうことができる。
7. プレー
- プレーエリアはA-Boradsナイの範囲である。
- フープの昇降は、チームの役員の一人であるフープコントローラーによって行なわれる。
- 選手は円の外側に広がって立つ。競技中ポジションを替えてもよい。
- 試合時間は各チーム30分間。
- レフェリーが開始合図をした際、下記9.2に記述される承認されたスタイルにてフープにボールを入れるまでボールをパスしていくため、選手は相手側にボールを投げる。
- ボールを投げる際、全選手は円の外側に位置し、その後どこでも自由に動いてもよい。
- ボールがフロアに落ちた際、もしくはフープに入れられた際、試合を中断する。
- ボールをアウトにした選手が試合を再開させるためボールを投げる。
- プレー中はボール交換をしない。
- プレー中は手でボールを受けてはならない。ボールがアウトとなった後、投げる際にのみ手の使用は許可される。
- フープが規定高さまで上げられてからのみゲーム継続のためボールを投げてよい。
- ボールがプレーイングエリア外に行った場合、どの選手でも審判席からボールを請求してもよい。
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以下の場合、ボールはアウトと見なされ、選手はボールを投げる必要がある。
(1) ボールがフロアに落ちた場合。
(2) ボールがフープに引っかかった場合、もしくは入った場合。
(3) ボールが障害物に触った場合。
8. フォールト
- ボールが選手の手に触れた場合。
- 選手が連続してボールに3回をこえてタッチした場合。
- プレー中選手が故意にボールを受けた場合。
9. 得点
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以下の場合を除き、困難の度合いによりスタイルに関わらず、ボールがフープに入る度に10点獲得する。
(1) 3回以上同スタイルを使用した場合。
(2) 8.2に記載されていないスタイルを使用した場合。
(3) 投げてから最初のパスの場合。
(4) ボールがフックに当り、跳ね返った場合。
(5) 時間切れとなった後フープに入った場合。
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困難さに基づいたスタイルのランク
(1) 頭
(2) インサイドキック
(3) 肩
(4) 膝キック
(5) アウトサイドキック
(6) クロスジャンプキック
(7) ビハインドキック
(8) フロントキック
- 合計点の最も高いチームの勝ち。
- 合計点が同じ場合、タイブレイクを行なう。審判長がトスコインを行い、トスに勝った方が最初にプレーする。各チームはルール上のキックで5分間に可能な限り得点を重ねる。それでも同点の場合は、5分間のタイブレイクを勝敗が決するまで行なう。
10. オフィシャル
国際試合においては、以下のオフィシャルにより試合が運営される。
- 審判長1名
-
審判4名
・審判1名
・スコアコントローラー
・スコアーキーパー
・タイムキーパー
11. レフェリー
- 審判はウォームアップ及び試合用のコートに位置し、試合を円滑に進めるため事項に示すことに責任を持つ。
- 選手がゲーム中、危険防止のためアクセサリ-等を身に着けていないか確認する。
- ウォームアップ及び試合の開始・終了を合図する。
- ゲーム中のフオルトを宣告する。
- 試合中ボールを最後に扱ってプレーを中断した選手がプレー再開のためのボールを投げたかどうか確認をする。
- 試合中のケガや事故が発生した場合、テクニカル・タイムアウトを宣告する。
- 競技規則16に示したペナルティーを犯した選手に対し速やかなイエローカード/レッドカードの提示を行う。
- 試合終了後、スコアーコントローラーからの示された結果を伝えるため、選手たちを審判席の前に並ばせる。
- フープが正しい位置にあり、得点がなされているか確認する。
12. スコアキーパー
- スコアキーパーは、審判席のスコアーコントローラーの横に位置する。
- スコアキーパーは、各選手のキックの種類別実行回数及びスコアーの合計をスコアーシートに手書きで記入する。
- スコアキーパーは、スコアーコントローラーにスコアーシートに記入されたキックの種類別実行回数についてアドバイスを与える。
13. タイムキーパー
- タイムキーパーは、審判席のスコアキーパーの横に位置する。
- タイムキーパーは、試合やウォームアップの開始・終了をホイッスルで告げる。
- 審判がテクニカル・タイムアウトをコールした場合、ストップウォッチの時間を停止する。
- スコアーコントローラーによるアナウンスに従って、電子ボードのポイントキーを押す。
- フープコントローラーが適切な高さや位置にフープを上げているか確認する。
14. スコアーコントローラー
- スコアーコントローラーは、審判席に位置する。
- スコアーコントローラーは、得点が加算された時点の選手のユニフォームの番号、キックの回数、キックの種類の順でアナウンスする。例:"Number 1, 1st Cross Jump Kick" "Number 10, 3th Instep Kick"
- 得点が加算された場合、しかしその種類別キックが規定の回数を超えていた場合、スコアーコントローラーは、選手番号、回数、キックの種類とノーポイントをアナウンスする。"Number 2, 4th Cross Jump Kick, NO POINT!!"
- ボール回収係は、プレーイングエリアの外側に位置し、プレイングエリアから出たボールを回収し、そのボールを審判席まで持ってくる。
- フープコントローラーが、ゲーム中のフープの昇降に関する責任をおう。フープコンロローラーは、審判席のタイムキーパー側に位置する。またフープコントローラーは、ロープやポールに示されたマークによって、適切な高さまでフープを上げる。
15. 規律
- 全ての選手は試合のル-ルに従わなければならない。
- "レグ"の選手のコンディションやポジションに関する事項や試合に関する主審の判定理由に関する説明については、"レグ"キャプテンのみが試合中に主審に尋ねることができる。主審は"レグ"キャプテンによる要求を取り上げる。
- チーム監督、コーチ、プレーヤーやチームの役員は試合中に主審の判定に対して議論することは許されていない。また試合の継続を妨げたりするようないかなる手段も許されていない。それらの行動は、重篤な不正行為として扱われる。
- 特定の試合において、レッドカード判定をされた時点でゲーム終了と見なされ、選手交代は許可されない。最終合計点はゲームの開始から終了までに得た得点である。
16. ペナルティー
- プレー中選手が故意にボールを手で触れた場合、審判員は直ちにイエローカードを該当選手に与える。同選手が同じフォールトを犯した場合は、ただちにレッドカードを与える。
17. 最終決定
質疑、もしくは試合規定に明白に説明されていない事項に関しては、公認レフェリーが最終決定権を保有する。